飼い主さん
飼い主さん
トリミングサロンでトリミングを嫌がると言われました。どうすれば良いですか?

前回に引き続き

「トリミングサロンでトリミングを

嫌がると言われました。どうすれば良いですか?」

です

 

前回の投稿はこちら

 

今回はその続きとして

「トリミングを嫌がらないようにするためにはどうすれば良いのか」

について書いてみます

まずトリミングを嫌がるといっても

 

 

トリミングにはいろいろな作業があり

ずっと嫌がっている場合は少なく

だいたいが何かの特定の作業を嫌がる

それがいくつもあることももちろんある

という感じ

で、そもそもこの嫌がるというのは

基本的には恐怖や痛みを感じることによって起きる

拒否反応や自己防衛である

 

しかしなんとなく一般の認識は

「わがまま」「気が強い」「ビビり」

など犬の性格やしつけの問題として

捉えられることのほうが多いイメージ

これが全く関係ないわけではもちろんないが

直接的な原因ではないことが多い

なのでそもそも痛みや恐怖を与えなければ

基本的には拒否反応や自己防衛などの反応は生まれない

または徐々に薄まる

これがよく言う「慣れる」というもの

 

この「慣れる」というのは

回数の問題ではなく

経験の質が大きく影響し、いくら回数を重ねても

質が悪ければ改善するどころか悪化する

 

車で例えると

回数⇒『スピード』

質⇒『方向』

スピードがいくら速くても、方向が間違っていれば

目的地にはたどり着かない

みたいな

 

なのでよく「子犬の時に慣らしましょう」

みたいなこという人いますが

時期より、回数より、『質』のほうがよっぽど大事

なのです

 

 

これを踏まえて、最も効果的で簡単な改善方法がある

それは

「家でお手入れをしない」

ということ

まあまあ極論ですが、ここはあえて

 

これは前述の「経験の質」が大きく影響する

ということから

一般の飼い主が自己流、あるいは

ネットや動画をみてチャレンジすることに

そのリスクを負う可能性がとても高い

実際にお家でお手入れをしている犬と

そうでない犬では苦手意識の有無や強さに

かなりの違いが出る

簡単に言ってしまうと

シャンプーしていればシャンプーを嫌がるし

ブラッシングをしていればブラッシングを嫌がる

顔を切っていたり、目ヤニを取っていたり、歯磨き

をしていれば顔の作業を嫌がる

 

これは当然と言えば当然で

 

例えば

僕はパソコンなどに全く詳しくないが

そんな僕がパソコンを解体して掃除をしたり

修理したりすれば壊してしまったり

元に戻すことさえできなくなるかもしれない

犬もパソコン同様かなり繊細であり

専門的知識や技術が必要

また犬には「こころ」がある

ここ重要☝

これを読み取りうまく導くことは

トリミングの学校に行っている人でも

トリマーですら難しいものです

そもそも嫌がっていることに気づかないことも多く

そうした場合悪化します

 

また「おやつをあげながら」「犬が眠そうなとき」

「歯磨きジェル(おいしい)」「ふたりがかりで」

などサポートや犬の気をそらさなければできない

場合なども、根本的な嫌がる原因を取り除く

ことは出来ず

むしろ犬をだまして無理やり作業を進める

ことになるので悪化しやすい

 

よって

「家ではやらずプロに任せる」

これでかなりの確率で改善します

実際にそれを実行するかどうかはとりあえずおいておいて

 

家でお手入れをするデメリットは他にもありますが

とりあえず今回は省略します

 

そこで気になるのは、お手入れの必要性ですが

これはサロンに1.2か月に1回行っていれば

基本的に問題ないものも多い

 

例えば

シャンプーなんかも飼い主が

臭いや汚れが気になってやることが多く

犬にとっては別にさほど問題ないし

なんなら毛玉の原因No.1事案

ブラッシングも濡らしたりしないかぎりそこまで

ひどい毛玉とかできないからしなくても

そこまで影響ない

それより毛玉やもつれの上からブラッシングをして

痛みを与えているほうがよっぽどよろしくない

 

長めのカットをしているからブラッシングしなきゃ

すぐもつれるという飼い主もいるが

そもそもその長めのカットがしたいのは

飼い主が見た目で犬にさせたいカットなわけで

犬に痛い思いをさせてまでするものなのか

 

などなど

いろいろ考える余地はたくさんある

トリミングの頻度・カットの長さ

調整するだけでもかなりカバーできる

 

このようにお手入れは

飼い主の様々な欲求によって行われる場合もあり

必ずしも

『お手入れをすること=犬のため』ではないということ

それどころか犬に悪影響を与えてしまうリスクも高い

 

にもかかわらず

お手入れはしなくてはいけない

お手入れはしたほうがいい、しましょう

という人が多い

ネットでもペットショップでもサロンでも

どこでもだいたい言いますよね

 

それはそのお手入れの効果やポジティブな面を

過大に評価し、そのリスクやデメリットを

過小評価しているからではないかなぁ

あとは飼い主は家でお手入れをできる限り

やるべき

という固定観念が強すぎて、柔軟性がなく

その他の選択肢にたどり着かないのか

 

なんにしろ偏りすぎな気がする

 

やっぱり人間は自分がやっていることは

良いことだと思いたいものだし

犬のためといえば何でも正しく良いものに見える

リスクに触れていたとしても

お手入れしましょう、だけどこれには気を付けて程度で

実際、知識や技術がない一般の人がやる

という大きなポイントを軽視している

お手入れ動画みたいなのはその代表

 

 

それにしても

お手入れしないほうがいいよ

って言ってる人がまあ少ない

あと胸を張って「お手入れをしていないです」

と言える飼い主も少ない

恥ずかしそうにしてたり、申し訳なさそうにしてたりと

するのが良くてしないのは良くないと

なっているので当たり前だけど

 

まあそれはおいておいて

大切なのは

家でお手入れをしたほうがいい

家でお手入れをしないほうがいい

のどちらかではなく

 

思い込みや一般論などはなるべく取り除き

実際に起きた変化や影響を様々な視点から

フラットに評価や分析をすることではないのかな

特に犬は生き物で心があるのでそこも重視しつつ

そのうえで

 

犬のためなのか

人のためなのか

 

に折り合いをつけて

選択肢が増えたり、代替案を考えたりできれば

その犬ごと家族ごとのベストな形になっていくような

気がします

 

 

ということでまとめると

今回はトリミングを嫌がる原因や理由を探る中で

見えてくる家でのお手入れの影響や

あまりクローズアップされない

デメリットやリスクの部分をしっかり見つめ

お手入れ自体の必要性について改めて考えてみる

でした

 

また

家でやるなら知識や技術がないと

デメリットやリスクも多く

それはトリミングの苦手意識に直結し

そのストレスや負担は増大し

高齢になればそれが何倍にもなるよ

というお話でした

、、そんなこと言ってなかったか

トリマーとしては主張すべきことかなと思うので

追加で。笑

 

 

いつかお手入れ教室とかやりたいな